『蝶々夫人』などで知られるイタリアの大作曲家、プッチーニ2作目のオペラ『エドガール』が ついに来年4月、コンチェルタンテ・シリーズとしてBunkamuraオーチャードホールに登場です。なかなか見る機会の少ない作品ですのでどうぞ、お見逃しなく。
第1幕
主人公エドガールとティグラーナの愛の逃亡
舞台は14世紀のオランダ・フランダース地方。のどかな田園風景広がる村で主人公エドガールと恋人フィデーリアは仲睦まじいカップル。そこに登場するのがティグラーナという娘。ティグラーナはエドガールを我が物にしようと誘惑。ところが彼女はミサで挑発的な歌を歌い、村人の怒りを買い一触即発に。エドガールはティグラーナを庇い自分の家に火をつけ、村人から呪いの言葉を浴びせられながら彼女と逃げる。
イラスト:小迎裕美子
第2幕
倦怠期の関係に辟易し、祖国のために戦争に行くエドガール
場所は豪華な屋敷のテラス。ティグラーナとの愛欲生活にすっかり飽きてしまったエドガール。捨てた恋人フィデーリアへの思慕は募るばかり。そこに兵隊を引き連れ隊長となったフィデーリアの兄、フランクと偶然に再会。過去の過ちを謝罪するエドガールは、祖国のためにともに戦いたいと願い出る。ティグラーナはエドガールを引き留めるが、願い虚しく結局兵士として、祖国への忠誠を誓い出兵していく。
第3幕
エドガールは謎の修道士に姿を変えて……
エドガールは戦死し、まさに葬儀が執り行われようとしている(このシーンで歌われるレクイエムは、プッチーニの葬儀でも使われた)。ここで(エドガールが扮した)謎の修道士が登場。棺にすがり嘆くティグラーナ、修道士は快楽と虚栄に満ちた正体を暴いてやろうとフランクに持ちかける。二人はティグラーナに高価な宝石をちらつかせ、エドガールの悪行を述べよ、と嘘の証言をするようにそそのかす。
第3幕
エドガールの策略にはまるティグラーナそして悲しい結末へ
最初は拒んでいたティグラーナも、結局は宝石の誘惑に負け「エドガールは金のために祖国を裏切った」と証言。そこでエドガールは修道士の衣裳を脱ぎ「エドガールは生きてここにいる」と叫ぶ。証言を信じた村人や兵士たちとも別れを告げフィデーリアとこの地を去ろうとするが、騙されたティグラーナは怒り心頭。怒った彼女はフィデーリアの胸を短剣で突き刺し、フィデーリアは息絶えてしまう。エドガールはその亡骸を抱き、嘆き悲しむ。
指揮は二期会デビュー10周年のアンドレア・バッティストーニ
今回指揮するのは、1987年イタリア・ヴェローナ生まれのアンドレア・バッティストーニ。2016年から東京フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を務め、日本でもファンが多いことで知られます。東京二期会では、二期会初演となる『ナブッコ』で2012年当時25歳の若さでデビュー、大きな話題となりました。2022年はデビューから10年目。本作品、9月の『蝶々夫人』と続けてプッチーニを指揮します。東京フィルとの共演もお楽しみに。
(右)A.バッティストーニ。2022年8月26日には九州交響楽団で『外套』も披露。
東京二期会 コンチェルタンテ・シリーズ
プッチーニ 『エドガール』
オペラ全3幕
日本語字幕付原語(イタリア語)上演
指揮:アンドレア・バッティストーニ
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
Bunkamuraオーチャードホール
2022年4月 | 23日(土)17:00 24日(日)14:00 |