平素より東京二期会の活動にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
2011年より開始しました「二期会創立60周年特別寄付金」は、2013年12月をもちまして無事終了することができました。この間、実に多くの個人、法人様に貴重なご寄付を賜りまして、誠に有難う存じます。皆様からのおこころざしを、記念事業に使わせていただき、温かいご支援にあらためて心より厚く御礼申し上げます。
振り返れば東京二期会の記念事業は、東日本大震災と共に始まったと言っても過言ではございません。人々の心の輝きを一瞬にして奪い去ってしまったことは、今でも忘れません。そして震災の翌月、東京二期会では『フィガロの結婚』を上演しました。お客様のご来場や反応が心配される中、実に多くの皆様にお越し頂き、また感動や励ましのお言葉を沢山頂戴しました。その時「人の声には、心に語りかけ、魂に感動を与える力が宿っている」と確信しました。
その後、思い出される公演としましては、2012年9月『パルジファル』に皇太子殿下の御来臨を賜り、11月『メデア』では平成24年度文化庁芸術祭賞音楽部門・関東参加公演の部で大賞を受賞しました。2013年2月『こうもり』、5月『マクベス』、７～8月『ホフマン物語』と好評の内に上演でき、11月『リア』では、天皇皇后両陛下の御来臨を賜りました。
東京二期会は今後も創立者の理念を継承し、更に日本のオペラの普及と発展に向けて、質の高い公演ができますよう奮励努力していく所存でございます。我々は60年の時を日本と共に刻んで参りました。声の力をもって、人の心に働きかけ、確かな未来の一歩を助ける存在でありたいと考えております。
これからも日本の声楽文化をより良く存続させるため、皆様方からのご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。