TOKYO niki kai OPERA FOUNDATION NEW STYLE OPERA MAGAZINE

ENGLISH

オペラを楽しむ

宮本亞門演出『パルジファル』初演の文化都市 ストラスブールの魅力

古い歴史と世界遺産で知られる、フランス・アルザス地方の中心都市「ストラスブール」。
宮本演出の『金閣寺』と『パルジファル』がプレミエを迎えた国立ラン歌劇場を擁し、
東京二期会にも縁のある地です。
フランスとドイツ、両方の文化が交わる美しさが、毎年訪れる人々を魅了しています。

プチット・フランス地区は、小ヴェニスとも呼ばれ、コロンバージュ(木組みの家屋)が集積されている

1.フランス国立ラン歌劇場の前総裁エヴァ・クライニッツ氏は、大の日本通だったというご縁も
2.郷土品のアルザス雑貨

2つの文化が融合する伝統的な世界遺産の街

パリから高速鉄道で約2時間。ドイツとの国境近くに位置し、アルザス語(ドイツ語の一方言)で“街道の街”を意味する「ストラスブール」では、ラテン文化とゲルマン文化を一度に体感できます。かつて、ドイツとフランスが領有権を争い、時代の影響を強く受けてきたこの地は、1944年以降フランス領となり、88年には、街の一区域「ストラスブールのグラン・ディル」がユネスコ世界遺産に登録。そしてフランス国立ラン歌劇場では、2018年に、東京二期会が共同制作した宮本亞門演出『金閣寺』、一昨年1月には『パルジファル』が絶賛を浴びました。クリスマスマーケットが開かれる広場に面したこの劇場は、フランス側の入口にはフランス語で、ドイツ側にはドイツ語で建物名が記されています。ストラスブールは、こうした国境に近い街ならではの魅力にあふれています。

4.5. 世界遺産に登録されているストラスブール大聖堂
6.7. 16世紀から続くヨーロッパ最大のマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)を目当てに、多くの観光客が訪れる。シュークルートやアルザスワイン、タルト・フランベなどの郷土料理も旅のお目当てに

ⓒAlain Kaiser ⓒAtout France/Matthieu Colin ⓒAtout France/Jean Isenmann ⓒAtout France/Jean-François Rollinger フランス観光開発機構 ストラスブール観光局
文: 渡邉翔子