『トゥーランドット』を終えて…
2011年7 月6・7・9・10日に東京文化会館大ホールにて、
東京二期会創立60 周年記念公演『トゥーランドット』が上演されました。
厳しい暑さが続く中、ご来場いただきまして誠にありがとうございました。
皆様からの暖かいご支援のもと、盛況のうちに幕を下ろすことができました。
アンケートにお答えいただいた声の一部をご紹介させていただきます。
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撮影:三枝近志(左も同じ) |
- 2年前の『トゥーランドット』より格段に迫力が増していた。すばらしかった! テンポが早い演奏も最初戸惑ったが、すぐにとても心地よく感じた。とにかく全てが最高だった! またやってください。(30代・男性)
- ソロがオーケストラに消されて聞こえない。舞台が大変ゴージャス過ぎですが、装置を観に来ているのではないです。オーケストラや合唱の声が大きすぎてメインの声が聞こえない。(50代・女性)
- カラフ、トゥーランドット姫、リュウ、オケがよかった。迫力があった。舞台裏での児童合唱が天使の歌声のようだった。癒された。(30代・女性)
- 指揮者、出演者が期待通り、というより、それを超えていた。舞台装置が素晴らしい。脇役のレベルも素晴らしい。(60代・女性)
- 音楽はもちろん、指揮、演出、美術、衣裳、バレエなど、すべてとても楽しめました。アリアのとき、切れ目がないのでブラボーが言えなかったけど、これも演出なのですね。(50代)
- リュウが死んでしまったとき、本当に泣けてしまいました。愛とはわがままなものであり、強いものであり、多くの人の救いになるものと感動しました。(50代・女性)
- 迫力があって、すごくわかりやすく、面白かったです。またやって欲しいなと思いました。(10代・女性)
- 3幕目のトゥーランドット姫の告白の部分が省略されており、少し物足りなく感じました。演出上の都合なのでしょうが、従来のままでよかったように思います。近未来的な装置も? といった感じです。ピン・ポン・パンがキュートで好きでした。(40代・女性)
- 今までリュウの死の所でもやもやしていたことが、今回の演出で明らかになり、すっきり『トゥーランドット』を理解することができた。(50代・男性)
- オケもよくなり、出演者もよくやっていたと思います。海外オペラに負けないでください。応援しています。(50代)
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撮影:鍔山英次(左も同じ) |
アンケートにお答えいただいたお客様
『トゥーランドット』を観て
イタリア文化会館 館長 ウンベルト・ドナーティ
東京文化会館で行われた二期会創立60周年記念公演『トゥーランドット』の初日、私は大いに魅了され、心から楽しんだ。
私は自他ともに認めるプッチーニの大ファンである。彼に縁のある土地で暮らし、プッチーニ・フェスティヴァル財団に関わりがあることも理由のひとつだ。だが、何と言っても、マエストロ・ジェルメッティのみごとな指揮による演奏がすばらしかった。日本人の歌手たちの表現も成熟に達し、言葉も明瞭で、情熱のこもった歌声はイタリア人の歌手とくらべても遜色ないと言ってよい。女性歌手ばかりでなく、男性歌手についても同様に感じた。
とくに目をみはったのは演出で、舞台である北京は伝説の時代と現代の半ばにあり、まさに「世界の中国」と「紅衛兵」を彷彿とさせる。
合唱も、発音に関してまったく申し分ないだけではなく、きわだって情感豊かに聞かせてくれた。
日本におけるイタリア歌劇の普及を目的にともに活動することは、イタリア文化会館にとって非常に幸福なことであり、誇りに思っている。
ここに、二期会の皆様のご尽力に感謝の意を改めて表したい。